5月号 暮らしに役立つ健康ニュース「からだから」
コラム春から夏へと季節が移り変わる5月は、気温や湿度、気圧の変化が大きく、私たちの心身にさまざまな影響を与える時期です。過ごしやすい日がある一方で、急に暑くなったかと思えば、朝晩は冷え込むこともあり、このような環境の変化は、自律神経のバランスを崩す原因となりえます。
今月の健康ヒント「自律神経を整える」
◎自律神経のはたらき
自律神経とは、私たちの意思とは関係なく、体の働きをコントロールしている神経のことを指します。たとえば、心臓を動かしたり、汗をかいたり、呼吸を調整したりと、日常生活の中で無意識に行われている体の機能は、すべて自律神経の働きによって支えられています。この自律神経には、活動を活発にする交感神経と、心身を休ませる副交感神経の2つがあり、これらがバランスよく働いてこそ、私たちは健康的な生活を送ることができます。
◎ “なんとなく不調”の正体
しかし、急激な気温の変化や気圧の上下、生活リズムの乱れといった環境の変化に体がうまく適応できないと、自律神経のバランスが崩れてしまいます。本来、交感神経と副交感神経は状況に応じて自然に切り替わることで、体調を一定に保つ役割を果たしていますが、そのリズムが乱れることで、心身の調整機能に不具合が生じやすくなります。このような状態になると、まず現れやすいのが、だるさや疲れが抜けないといった「倦怠感」です。十分に休息をとっても疲れが取れない感覚は、自律神経が常に緊張状態にあることを示しています。さらに、肩や首のこり、頭痛、めまいといった症状は、血流や筋肉の緊張がうまく調整されなくなっているサインでもあります。また、自律神経は消化器官の働きにも深く関わっているため、胃もたれや便秘・下痢などの胃腸の不調が出やすくなるのも特徴です。夜になっても神経が高ぶったままになり、眠りが浅くなったり、夜中に目が覚めてしまうといった睡眠の質の低下もよく見られます。こうした身体的不調が続くと、やがて心にも影響を及ぼしやすくなります。ちょっとしたことで気分が落ち込んだり、不安を感じやすくなったりするのは、脳と自律神経が密接に関係しているからです。
今月の身体の話「心地よいリズムを見つけて」
神経のバランスが崩れることで、気分や感情を調整する働きが鈍り、心の不調へとつながってしまいます。
◎自律神経を整えるためには
日々の生活の中で「リズム」と「リラックス」を意識した過ごし方が大切です。まず、朝はできるだけ同じ時間に起きてカーテンを開け、太陽の光をしっかり浴びましょう。朝の光は体内時計をリセットし、自律神経のリズムを整える効果があります。また、軽いストレッチや散歩といった適度な運動を日課にするのも効果的です。特に、朝や日中に身体を動かすと交感神経が適度に刺激され、活動のリズムが整いやすくなります。
一方で、夜の時間は一日の緊張をゆるめ、副交感神経の働きを高める「リセットの時間」として大切にしたいものです。特に意識したいのが、就寝前の過ごし方です。ぬるめ(38〜40度)のお風呂にゆったりと浸かることで、体温が一時的に上がったあと、自然に下がっていきます。この体温の変化は、入眠をスムーズにし、深い眠りを誘導するためにも効果的です。湯船に浸かることで血流が促進され、筋肉の緊張も和らぐため、心身の疲れが解けていくのを実感できるでしょう。
また、寝る直前までスマートフォンやパソコンを使用していると、ブルーライトの刺激により脳が覚醒してしまい、自律神経のスイッチが「活動モード」に入りやすくなってしまいます。そのため、理想的には就寝の1時間前からはデジタル機器から離れ、静かな読書や軽いストレッチ、深呼吸など、穏やかな時間を過ごすことが望ましいです。さらに、照明を少し落として、やわらかな間接照明に切り替えることで、自然と副交感神経が優位になり、心が安らいでいきます。
◎腸内環境も整えましょう
意外と見落とされがちですが、食生活も自律神経の働きと深く関係しています。とくに腸と脳は「腸脳相関」といって密接に連携しており、腸内環境が整うことで心の安定にもつながることが分かっています。発酵食品(ヨーグルト、納豆、味噌、キムチなど)や食物繊維の豊富な野菜、海藻、豆類などを意識して摂取することは、腸内の善玉菌を増やし、自律神経の安定をサポートします。また、よく噛んでゆっくりと食べることも、副交感神経のスイッチを入れる大切な習慣です。慌ただしく食事を済ませるのではなく、五感で味わいながらゆっくり食事を楽しむことが、心と体の緊張をほぐす大きな手助けになります。このように、夜の時間をいかに丁寧に過ごすかによって、日中に乱れた自律神経を整え、翌朝をすっきりと迎えることができます。日々の積み重ねが、健やかな毎日をつくる土台になるのです。
~編集後記~
5月は、自然の美しさを感じられる一方で、気温や環境の変化から体調を崩しやすい時期でもあります。無理のない範囲で生活習慣を見直し、自分の体と心にやさしく寄り添いながら、自律神経のバランスを整えていきましょう。なんとなく気分が優れない日があっても、それはごく自然なこと。焦らず、無理をせず、心と体の声にそっと耳を傾けながら、ご自身にとっての「心地よさ」を見つけてみてくださいね。
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