9月号 暮らしに役立つ健康ニュース「からだから」
コラム9月に入ってもまだまだ暑い日が続き、寝苦しい夜が続いていますが、十分な睡眠は取れていますか?
忙しい日々を過ごす中で、ついつい後回しにしてしまいがちな睡眠。
睡眠量はもちろん、質の良い睡眠を取ることも、心身の健康を維持するためにとても重要です。
今回は、そんな「睡眠」をテーマに解説していきます。
今月の健康ヒント 「 睡眠の役割とは? 」
「人はなぜ眠るのか」という問いには、最新の研究でも答えは出ていません。
しかし、睡眠は私たちの脳と体の健康を維持するために、非常に重要な役割を持っていることは明らかになっています。
まずは睡眠の役割を知っておきましょう。
◎睡眠にはどんな効果があるの?
睡眠中には、身体の細胞が修復され、成長ホルモンが分泌されます。
すると、筋肉や組織の修復が促進され身体的な疲労が回復します。
一方で、睡眠中の脳では、情報を整理し、記憶の定着などを行っているといわれており、十分な睡眠をとることで、学習能力や記憶力が向上することがわかっています。
また、睡眠を取ることで、ストレスホルモンが低下し、精神面の安定が促されます。逆に、睡眠不足の状態では感情のコントロールが難しくなり、イライラや不安が強まる傾向があります。
◎役割の異なる2種類の睡眠
睡眠には「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」の2種類があり、それぞれ異なる役割を持っています。
レム睡眠は、比較的浅めの睡眠で、筋肉はリラックスして動かなくなりますが、脳は活発に働いていることが特徴です。
記憶の整理や定着、精神的なリフレッシュが行われる段階です。
ノンレム睡眠は、いわゆる「深い眠り」の状態で、大脳も休息しており、身体の修復や成長が行われる重要な段階です。
ノンレム睡眠では、夢はあまり見られず、心身がリラックスしてエネルギーを回復します。
この2種類の睡眠はおよそ90分のサイクルで交互にあらわれます。
まずは睡眠そのものについて解説しました。
睡眠には脳や身体を回復させるという重要な働きがあります。
特に、精神面での不調は睡眠不足が関係しているケースも多いです。まずは、十分な睡眠時間を確保することが大切です。
今月の身体の話 「 睡眠の質を高めるための習慣 」
1日24時間のうち、毎日8時間を睡眠に費やすと考えると、睡眠時間は人生の3分の1を占めます。
生活の中で大きな割合を占める「睡眠」では、その質が生活全体に大きな影響を与えることは言うまでもありません。
それでは、睡眠の質を高めるためには、どうすればよいのでしょうか?
◎睡眠時間は規則的に
人間の脳では、「メラトニン」というホルモンが睡眠に大きく関わっています。
メラトニンは、体内時計に働きかけることで睡眠状態と覚醒状態を切り替え、自然な眠りを誘うという作用があることから「睡眠ホルモン」とも呼ばれます。
朝、日の光を浴びることでメラトニンの分泌が止まり、目覚めてから14~16時間経つ頃に再度分泌され、夜には眠気を感じるようになります。
睡眠時間が不規則だと、メラトニンの分泌が不安定になり、不眠に繋がることもあります。
毎朝起きる(=光を浴びる)時間を一定にすることや、夜には強い光を浴びないように心がけることで、体内時計が整い、睡眠の質の向上が期待できます。
◎飲食を見直す
寝る前にどのような飲食を行うかは、睡眠の質へダイレクトに影響します。
特に、カフェインとアルコールは摂取するタイミングと量に注意が必要です。
カフェインの血中濃度は、摂取後30分~2時間程度で最大となり、8時間ほどで半減します。
コーヒー、エナジードリンクなどはもちろん、お茶やココア、コーラやチョコレートなどにもカフェインが含まれます。
カフェインの利尿作用によって睡眠が阻害されることもあるので、夕方以降にはカフェインを含むものを控えるのがおすすめです。
アルコールはさらに注意が必要です。寝つきをよくするために飲酒する、という方もいますが、アルコールで寝つきが良くなるのはせいぜい数日程度で、次第に効果は薄まります。
すると飲酒量が増え、かえって不眠を引き起こし、睡眠の質が悪化するリスクが高いです。
◎生活習慣から、睡眠を改善しよう
その他にも、運動やストレッチで体温を高めることや、リラックスできる時間をとることで入眠がスムーズになります。
昼寝をするときには、夕方以降や長時間は夜の眠りを妨げてしまうためNGです。
昼過ぎ頃に15分程度取ることが理想的です。
質の良い睡眠は、心身の健康を支える大切な要素です。
まずは生活習慣を見直し、快適な眠りを手に入れましょう。
~編集後記~
では、今回も最後までご覧いただきありがとうございました!
経済協力開発機構(OECD)の2021年の調査によると、日本人の平均睡眠時間は7時間22分で、過去20年間にわたり減少し続けています。
これは世界中の加盟国の中で最も短い時間であり、日本人は世界で最も眠っていないということになります。
睡眠の質はもちろん大切ですが、十分な睡眠時間が取れていることが前提です。
まずは、毎日しっかり眠るという習慣づけから始めましょう!
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